「#(シャープ)」がつくと、音は半音上がります。
「♭(フラット)」がつくと、音は半音下がります。
このように、音の高さを変化させる記号を「変化記号」と言います。
五線譜の最初に「#」が書いてある場合、その高さにある音名の音は、曲の最初から最後まで半音上がります。
例えば上の楽譜は「ファ」に「#」がついています。
2小節目以降、「ファ」の横に記号はついていませんが、演奏するときは「#」をつけて演奏します。
さらに、すべての高さの「ファ」に「#」がついているものとします。
2小節目の1オクターヴ低い「ファ」にも、 3小節目の1オクターヴ高い「ファ」にも「#」がついているものとします。
「♭」の場合も同じで、その高さの音は最初から最後まで半音下がります。
※「オクターヴ」とは、音程が8度ちがうという意味の言葉です。
音程についてはこちらからまとめています。
最初に変化記号を書かなくても、曲の途中で「#」や「♭」をつけることができます。
例えば上の楽譜では、ト音記号の横に「#」がありません。
しかし、2小節目の「ソ」に「#」をつけることで、「ソ」を半音上げることができます。
このように、曲の途中でつける「#」や「♭」を「臨時記号」と言います。
この臨時記号にはルールがあります。
同じ小節内でしか効果がなく、次の小節からは元に戻ります。
また、同じ音名でも、高さがちがう場合は効果がありません。
上の楽譜で見ると、2小節目の低い「ソ」はすべて半音あがりますが、3小節目の「ソ」は半音あがりません。
また、2小節目の高い「ソ」も半音上がることはありません。
「♭」の場合も同じです。
「♮(ナチュラル)」という記号もあります。
この記号は、「#」や「♭」の効果を無くし、元の音の高さに戻します。
五線譜の最初に「#」が書いてあるので、すべて高さの「ファ」は半音上がります。
2小節目の低い「ファ」に「♮」がついています。
この低い「ファ」は「#」の効果が無くなり、元の高さに戻ります。
「♮」は同じ小節内だけ効果があります。
3小節目の「ファ」には「♮」の効果はなく、半音上がります。
同じ小節内でも、もう一度「#」をつければ半音上げることができます。
また、「♮」は高さがちがうと効果はありません。
2小節目の高い「ファ」には「♮」はついていないので「#」の効果は無くならず、半音上がったままです。
臨時記号の場合も「♮」で効果を無くすことができます。
2小節目の1つ目の「ソ」に「#」がついているので、2小節目内の「ソ」は半音上がります。
しかし、2小節目の3つ目の「ソ」に「♮」がついています。
この「♮」によって、3つ目以降の「ソ」はすべて元の高さに戻ります。
次回は「反復記号」について解説します。
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